アメリカから来たばかりの英語と日本語しかできない私が、ヘブル語の病院にアラビア語しかわからない人を連れていく・・。病院のしくみもよくわからず、英語ができる人があちこちにいるものの、「Go to Dr. Berger’s office」と言われても、ドクターのオフィスのネームプレートはこんなかんじ(Dr. Bergerと書いてある)。
エジプトで奴隷だったイスラエルの人々をエジプトから導き出した(出エジプト)偉大なリーダー・モーセでさえ、神様が彼をリーダーにしようとしたとき「どうして自分のような口べたがそんなことができるか」と神様に訴えている。英語のNew Living Translationでは「うまく話せない者」、New American Standard Bibleでは「スピーチに技術のない者」というような表現。
Lalaのお母さんは英語が話せた!クルディスタンの人としては珍しいことだと聞いた。手術の間お母さんに付き添うというのが私のしごとだけど、彼女はそれほど心配や不安がない様子で、自由な会話を楽しんだ。「どこで英語を学んだの?」と聞くと、「映画」という。彼女は大学で土木工学を学んだそうで、その時の教科書が全部英語だったので単語はかなりそこで吸収したそうだけど、会話の英語は映画を見て覚えたそう。とくにLord of the Ringsと The Hobbitsの大大ファンだそうで、目を輝かせて教えてくれた。それから、自分の住むクルディスタンという「国」がどんなに美しく、すばらしく、平和なところかを語ってくれた。あんなふうに祖国のことを語れるっていいなと思った。
バッグをもって外出する気まんまんの私に、先輩(といっても30歳以上若いだろうな)のDoroが言った。「まだまだ、まずやることあり。」まずは2軒の大きな家(ひとつはスタッフ、ひとつは病気の子どもと家族用)の食料品倉庫に行って、何があるか何がないかの在庫を確認する。これがなかなか難しい。というのは、食品ラベルは全部ヘブル語だし、加えて見たこともない(クルド人やパレスチナ人が食べる)エギゾチックな食品もある。何かそもそもよくわからないものを、字が読めないお店に行って買えるのか・・・。それから、夕食づくりはローテーションでやるんだけど、その担当者から必要な材料メモをもらって、それも勘定にいれなくてはならない。赤ちゃんもいるから、おむつとかミルクとかもある。在庫確認と買い物必要表ができたところで、Doroの運転でお店に行く。Doroがお店の中に何があるか、どうやって商品を選んだらいいか、セールの見方などを教えてくれる。フレンドリーなイスラエル人のおじさんが、なんやらヘブル語で話しかけてくるので、「Sorry. ヘブル語わかりません」というと、「Ok Ok イングリッシュオッケー。ハローハロー」といやにフレンドリー。アジア人を見るのがめずらしいんだろうな。最初は文字は読めないし、言葉はできないし、すごい居心地の悪い場所だったけど、そのうちモノを探すのに没頭して全く気にならなくなった。ハレルヤ。
後ろに座っていたご家族がみんな英語が堪能ですごくフレンドリーにお話ししたけど、息子さんの一人がTシャツのうえにポータブルプリンターみたいな機械をたすき掛けにしている。。いったいこれは?後で聞いたところによると、彼はOff Dutyのイスラエル軍 Israel Defence Force(IDF)のメンバーらしく、それでも何かの時のために機関銃を携帯しているのだそうで。天使のように甘いマスクと機関銃(プリンターみたいに見えたのは、がちゃんがちゃんとすると銃の形に変身するということらしい)を教会に持ってくる。。これがやはりイスラエルの現実なのかと思いました。写真はもちろん取れなかったけど、イメージ的いはこんなかんじ(webから)。
Shevetを出るとき、Hanaに「Covid Test キットがなくなりそうだから、ついでSuper Pharma(モールの中のお店)に買ってきて」と言われ、まずはSuper Pharmaを探してみる。お店はあった!勇気をしぼって中に入る。店の中を3回回りめぐってみるが、どうもそれが見つからない。「お店のひとに聞いてよ」とお互いに押し付け合う。結局、母がまずはお手本を見せることになり・・・