ガザから入院し、もう2か月もICUにいるソマイアという赤ちゃんがいる。手術が必要だけれど、小さすぎて手術ができない。呼吸器につながれながら体重が増えるのを待ちつつ早2か月。私がソマイアを前回訪問したとき、目を開けているけれどまったく生命のちからを感じさせないその姿があまりにもショックで、祈りの輪のニュースレター報告のために必要な写真をとってそそくさと部屋を出てきた。何もできない無力感に押しのめされて。
その夜に、ニュースレターを受け取ったある人から、「ただ手を握ってあげるだけ、しずかに言葉をささやくだけでも、大きな力になることをどうか忘れないでほしい」という内容の励ましメッセージがあった。それを読んで力を新たにし、今日ソマイアのところにいったらぜひ近づいてよしよししてあげようと決心をして部屋に入った。今日は、マルガリータが一緒にいたのも心強かった。彼女は祈りの人、いつもいつも祈っている人、来る車の中でも祈っていた。二人でソマイアの足を静かになでながら、マルガリータはスペイン語で、私は日本語で心を込めて祈った。その時起こったことを私は一生忘れないだろう。ソマイアがあちこち見まわすように目を動かし、口に入れられていたおしゃぶりを吸うように口を動かし、少しだけだけれど腕も動かした。ベットの中にあったのは、まさにいのちだった。
主よ、あなたがソマイヤを彼女の母の胎の中で織りあげ、あなたがソマイヤの鼻にいのちの息を吹き込まれました。どうか、あなたがソマイアに最大限のあわれみを注いでくださり、この小さないのちをよみがえらせてくださいますように。